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執筆者の写真教育エジソン

ペーバージョークで一息


 授業技術を磨くためと、自分自身好きなので、お笑い番組を録画しておいてときどき見る。ピン芸人と呼ばれる一人語りのお笑いも、新しいスタイルがいろいろ出てきている。その一つが、ボードに書いた絵や文字を見せながら語る方法である。あるとき、中山功太という芸人の「対義語」というネタがおもしろくて、真似したいと思った。  「対義語というものがありまして、ものごとの反対をあらわすことばですね。上がるの反対は下がる、しょうがないの反対は、しょうがある」(笑)、などと言いながら、ボードをめくってオリジナルな対義語を紹介していく。対になることばを巧みに組み合わせてイメージを喚起し、思わずクスリとさせられるうまさがある。

 そこで、これらのネタを大判カードに書いて、授業の合間に生徒に話して見せたら大いに受けた。冒頭の「農薬ばばあ」だが、農薬は虫を殺して作物を生かすのだから、花咲かの対義語じゃないだろうと、「除草剤ばばあ」、いや「木枯らしばばあ」の方がいいかなどと考え、それも見せ語りしたら、さらに受けた。  それでときどき、オリジナルなお笑いネタを考えて大判カードを作るようにした。その後、同じお笑い番組で、国語テストのことわざ問題をわざと変なふうにまちがえる、というネタをやっていたが、あまりおもしろくなかったので、こちらはオリジナルネタを考えた。

 進学希望者向けの小論文の授業では、自己推薦入試の時期に、少しでもリラックスしてもらおうと、「お笑い自己推薦」を披露した。上が自己アピールだが、くわしく訊くと、下の答えが…。

 私の授業は、私が一方的にしゃべりっぱなしということはない。さまざまな作業があり、やりとりがあり、グループ学習も多用する。それでも、同じ作業が続くと、生徒の集中は切れてくる。あと残り十五分、この作業に集中させたいというときに、「ちょっと休憩」と言って、この手のお笑いネタを2、3分やるだけで生徒の気分は変わり、集中が持続する。

2010年1月

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