12年ぶりの転勤
大学院研修2年間のうち休職扱いの1年が終わり、本務に復帰した。と同時に、K高校定時制に異動になった。昨年の引越しで前任校へは遠距離になってしまったので、1時間かかるとはいえ、私鉄一本で通えるK高校は、願ってもない転勤先である。...
アイデアのひらめく
瞬間が 何より幸せ
アイデアが人の役に
立てば 最高に幸せ
修士論文のテーマは、「カットイメージ読解法」。小説を読む際、内容を絵物語のように思い浮かべ、その心の絵(カットイメージ)を単位に読解を進めて行く。その方法の学習効果を心理学的に検討する。 12月に副指導教官の学部の授業を借りて、大学生60人ほどの実験を行なった。2種類用意し...
心理療法演習のF教授は、12月の授業で、「公開カウンセリングのクライエントを募集します」と言った。カウンセリングの実際を見たいという学生の要望を受けて、授業の中で実演をするという。私はすぐに立候補した。 夏に妻と別れ、3歳の息子を連れて両親宅に身を寄せた。しかし、日が経つに...
12年間暮らした妻と、この夏に別れた。親弟妹以外には、一切そぶりも見せず、友人・知人には、ことが済んでから、転居通知の形で一斉に事実を知らせた。 突然のことで、だいぶ波紋を広げてしまったようだ。特に、夫婦同士でつき合いのあった親友たちは、まさか君たち夫婦が……、よりによって...
前回「瞑想とフォーカシング」で触れた相談心理学演習は、学生の自主活動を重視する科目だが、前期の最終課題はグループ研究であった。共通の興味で集まり自主的に研究を進めて、10月の授業で発表する。5人が、「集団に対するカウンセリング的な関わり」をテーマに集まった。...
「相談心理学演習」という科目で、自主レポート課題の文献リストの中に、『フォーカシング』 (E.T.ジェンドリン)があった。以前からフォーカシングには興味があり、この本は読んでいたので、私は最初のレポート文献としてこれを選んだ。ざっと読み返してまとめようと思ったら、引き込まれ...
武蔵野にある東京学芸大学のキャンパスは緑が多い。「参道」の桜並木を抜けて正門を入ると、中央の噴水池を囲んで何本ものケヤキが空高く枝を広げている。噴水は一度も出ているのを見たことがないが、浅い池には水が湛えられて、ケヤキの青葉がちらちらと反映する。周りには腰掛けられる石段やベ...
「瞑想とは何か」という問いに対する私なりの答えは、「自己の内面に深く集中し、心身の自発的な反応・活動を味わうこと」である。そこが、単なるリラックスとは違う。 そのことは、音楽を聴いて瞑想する場合で考えるとわかりやすい。つまり、ただ音楽を聞いてくつろいでいても瞑想にならないが...
イメージのための音楽は、「リラクセイション・ミュージック」とか「環境音楽」などと呼ばれているが、音楽ジャンルとしては、「ニューエイジ・ミュージック」と言う。「新しい時代の音楽」、あるいは「新世代音楽」であろうか。 近年、静かなブームであるとは思うが、アーティストたちの名は、...
2年前。2年生の担任。文化祭の劇のシナリオ書きを「先生に!」という話になった。ことの是非はさておき、私は引き受けた。 元ネタは、映画「怪盗ルビイ』 (1988監督和田誠)である。真田広之扮するまじめサラリーマンが、大犯罪を夢見る不思議な少女ルビイ(小泉今日子)に次々と窃盗計...
夏休みの初めに、東京の目黒区美術館で開かれていた、土門拳の『古寺巡礼』を中心とした写真展を見に行った。 美術館は、イメージを意識して作品を鑑賞していると、長時間いても飽きない。寺で仏像を見るときもそうだが、土門拳の仏像写真は、対象にぐっと追って、実物を見るよりも、イメージを...
日本中を震撼させた宗教団体の一連の報道以来、「瞑想をしています」とは、何となく言いにくい。迷惑な話ではある。 修行の目的が、超能力を得るためとは情けない。しかし、すべての宗教は、多かれ少なかれ、人間の潜在意識にアプローチし、病気を直す、人生を変えるなどの神秘的な体験をもたら...